ドメーヌ アドリアン ベルリオーズ

ドメーヌ アドリアン ベルリオーズ

 

ドメーヌはサヴォワ地方、シャンベリーとモンメリアンの間、ボージュ山塊の裾野に広がるシニャン村に位置しています。アドリアンは2006年に父ジョセフから1.5haの畑を受け継ぎました。創設当初のドメーヌ名は、石灰質崩積土を指す「クレ」にちなみ「セリエ・デ・クレ」でした。ビオディナミの先駆者ジル・ベルリオーズは従兄弟にあたりますが、彼は家業の継承にとどまらず独自の世界観を築き上げてきました。畑を少しずつ拡大し、現在は約7haを非常に多くの小区画に分けて栽培し、細分化が彼のアイデンティティの核心になっています。

 

2012年に有機栽培認証、2020年にデメター(ビオディナミ)認証を取得。2025年には『ラ・ルヴュ・デュ・ヴァン・ド・フランス』のギッド・ヴェールで三ツ星を獲得し、サヴォワを代表する生産者としての評価を確立しました。

テロワールは彼にとってワインの構成原理そのものです。標高、傾斜、方角、土壌、通風の異なる約17の微小区画を管理し、土壌は石灰質崩積土、氷河堆積物、泥灰岩、粘土石灰質、沈泥、片岩と多様です。区画によっては傾斜40〜50%に達する急斜面で、機械化は不可能なため、手作業が中心です。急斜面などの地形は克服すべき障害ではなくワインを構成する要素そのものと考えています。

 

また複数区画のブドウを混ぜる生産者が多い中で、彼は区画ごとの表現にこだわり、それぞれ別のワインとして仕込みます。同じ品種、村でも区画が異なれば全く違うワインが生まれる、いわば野外の地質学実験室です。

 

品種は、白がジャケール、最も格の高いルーサンヌ・ベルジュロン、アルテス、希少なマルヴォワジー。赤はモンドゥーズ・ノワール、希少なペルサンとドゥース・ノワールを手がけます。シニャン・ベルジュロン(ルーサンヌ100%)では区画独自の表現を追求しています。植樹密度は約8,000本/ha、収量は約30〜40hl/haと控えめ。目指すのは土地の表現を妨げる要素の排除であり、ブルゴーニュ的なテロワール読解の方法論を、サヴォワの風景、品種、エネルギーで実践していると言えます。