ラペル デ コトー

ドメーヌ ラペル デ コトー


標高255メートルに位置する「ラペル・デ・コトー」。ここは代々の伝統を継承したドメーヌではなく、ある強い信念からゼロから立ち上げられたドメーヌです。アントワーヌ・アシオーヌはかつてのキャリアから完全に舵を切り、大地の声に導かれるようにして、ブドウ畑の静寂と実直な手仕事の日々を選び取りました。


ドメーヌ名が意味する「斜面からの呼び声」の通り、機械すら拒む急斜面にあえて身を置いています。作業の厳しさを引き受けてでも、その過酷な土地にしか宿らない本質的な味わいを信じているからです。畑はわずか4ヘクタール。栽培から醸造まで創業時からオーガニック認証を取得し、赤はデュラス、ブロコル、プリュネラール、白はロワン・ド・ルイユ、モーザック、ソーヴィニヨンといった土着品種を中心に育てています。


海洋性、地中海性、ピレネー性という3つの気候が交錯するガイヤック特有のミクロクリマ、そして粘土石灰質の土壌。その個性をそのままグラスに届けるため、化学肥料や農薬はもちろん、醸造時の亜硫酸塩を含む添加物も一切使いません。これは単なる流行ではなく、「生きた土からしか、生きたワインは生まれない」という確信があるからです。

急勾配の畑を守るのは、たった一人の手仕事です。剪定、芽かき、枝の誘引、除草にいたるまで、樹や土壌と静かに対話を重ねるように一年を過ごします。孤独ともいえるその作業が、年に一度の収穫期だけは仲間が集まる賑やかな祭りの場へと変わります。

何も足さない醸造において、唯一の味方は「時間」です。キュヴェの個性に合わせ、コンクリートタンク、木樽、アンフォラを使い分け、じっくりと熟成。ブドウの生命力をそのままワインへ、そして飲み手の心を揺さぶる味わいへと昇華させています。